今日の症例                (上皮化間近のハイドロコロイドによる出血)

ハイドロコロイド被覆材
11 /11 2022
10ヶ月乳児

10月8日にテーブルのコーヒーに手を伸ばして落とし、顏にヤケドを負った。

近くの総合病院と皮膚科クリニックを受診し、当クリニックを受診された。

当クリニックではハイドロコロイド包帯を使用。1日1回交換していた。


10月12(受傷4日後)、顏の大部分が上皮化したため、まだ治りきれない部分のみハイドロコロイド被覆材を貼り様子をみていたが、キズが上皮化してくるに従って出血してしまうがどうしたらいいですかと御相談があった。 ハイドロ出血´´´       ハイドロコロイド被覆材を剝がした時に出血した箇所。 ハイドロ 出血´      ワセリンを薄く塗り、そのうえからハイドロコロイドを貼った。                                          上皮化するにつれて粘着部分が増えるとともに、上皮化した皮膚は薄いため、ハイドロコロイド被覆材を交換する時に出来立ての皮膚が剥離してしまうことがある。その時はハイドロコロイド被覆材を貼る前に、ワセリンを塗って粘着を弱めて使用すると良い。

※以前の湿潤治療ナースのブログも参考にしてください。

誰のための説明か?

その他
11 /05 2022
誰のための説明なのか?

最近、患者さんのための説明がこちらの流れを重視した一方的な説明になってしまっていることに気づきました。

診察の際には湿潤治療の基本的な説明は先生が、処置の説明は看護師である私が行っていますが、限られた時間のなかで説明をするので、ある程度はルーティン化してしまいます。しかし、こちらの意識を変えるだけで、もっと患者さんに沿った説明ができるのではないかと思ったのです。

例えば、湿潤治療を知らない患者さんや御高齢の患者さんには理解しやすいようにポイントを押さえた説明にしたり、逆に治療を理解していて詳しい方には、聞きたい内容をより掘り下げて話をするなど工夫できることは様々あります。

そのために患者さんの話や反応を大事にしながら、相手が知りたい情報を分かりやすい言葉で返すという基本的なことを毎日の課題としています。

説明というのは相手が主体です。患者さんが安心して治療が受けられるよう、これからも試行錯誤しながら、患者さんとのやり取りを大切にしていきたいと思います。

こういうキズには使ってはいけない。      (ハイドロコロイド被覆材)

ハイドロコロイド被覆材
10 /25 2022
時々、創傷被覆材の使用方法がよく分からずに使っている方がいらっしゃいます。
そのため、患者さまより許可をいただき、「こういうキズには使ってはいけない」と題して掲載したいと思います。

先ずは、『ハイドロコロイド』です。
包丁でかぼちゃを切っていたところ、誤って爪を含む指先を切ってしまいました。応急処置として自宅にあったハイドロコロイドを貼って翌日に来られました。来院後、流水で流しながらハイドロコロイドを取ろうとしましたが、しっかりと貼り付いていたことと、裂創の方向が分からずに剥がす時に痛みを伴ってしまった為、局所麻酔をして取りました。


       爪 ハイ       爪 裂´´

                  

自宅でこのような状況になった時は、痛みがなければ流水で軽く流し、治療材料で覆って下さい。出血がある時はへモスタパッド、出血がない時は創面に固着しないタイプの被覆材を使用してください(プラスモイスト・ズイコウパッド、ハイドロコロイド、市販のカット絆創膏にワセリンを塗って貼る)。ハイドロコロイドを使用するときは、創面に貼り付かないように創面に当たる部分にワセリンを塗っていただくといいでしょう。

※治療の工夫に関しては、以前の湿潤治療ナースのブログも参考にしてください。

延命治療について

高齢者医療
10 /21 2022
意識のない高齢の寝たきりの患者さんを死なせない治療は必要なのでしょうか?

色々と意見の分かれる難しい問題ですが、私は患者さんに負担になるだけの延命治療は必要ないと思っています。

なぜならば、老衰とは死に向かう低空飛行の状態だと思うからです。

私は以前、病棟で働いていて、老衰で亡くなる患者さんも看てきました。当時は死期が近くなると点滴や尿の管を入れ、経鼻胃管や胃ろうからの人工的な栄養補給もフルコースで行われていました。違和感を感じたのは人工栄養でした。時間になると管から栄養剤を入れていましたが、意識がないため食事をしていることも美味しいかどうかもわかりません。家族にとってはそれでも生きていて欲しいという気持ちかもしれませんが、患者さん本人にとっては幸せな治療ではないと感じていました。
現在、延命治療はある程度選択できるようになりましたが、投薬や点滴などまだまだ過剰に行われている治療は多くあります。

老衰とは身体の末端から徐々に機能が失われていき、そこから低空飛行となり死へと向かっていきます。延命処置をするかしないかは、その低空飛行が短くなるか長くなるだけで、決して上昇することはありません。
だからこそ、患者さんに負担となる治療は行わずに、低空飛行のまま安らかな最期を迎えさせてあげることが医療者と家族が最後にできることだと思っています。

今日の症例(トランポリンから落ちた)

裂傷
10 /12 2022
2歳女児 (後頭部1㎝の裂傷)

トランポリンから落ちて頭の後ろを切ってしまい、父親が湿潤治療について知っていたため、自宅でワセリンを塗ってその日に当クリニックを受診されました。

【医師の説明】
擦りむいたような浅い傷はワセリン基剤の軟膏を塗るだけで数日で良くなりますが、このくらい(1㎝)切れていると、三つ編みで傷口を寄せた方が早く治るでしょう。


小児の裂創は、縫うことをせずに三つ編みで治しています。
頭部裂傷(三つ編みの方法)~新しい創傷治療より~』三つ編みをした後は医療の肌色のテープで固定していましたが、テープが外れてしまい三つ編みが解けかかったことがあったり、輪ゴムも試してみましたが、取る時に髪の毛が絡まってしまい上手くいかなかったことがありました。

今回、髪の毛にワセリンが付いていたので、手元にあった「シリコン ヘアゴム」で試してみたところ。。。


三つ編み ヘアゴム

  【翌日の写真】

翌日まで抜け落ちることもなく、ゴムもサッと取れました。

※治療の工夫に関しては、以前の湿潤治療ナースのブログも参考にしてください。

湿潤治療ナース

湿潤治療の工夫や日常の感じたことを紹介させていただきます。
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