今日の症例(ひざ下の縫合創の離開               テーピング+ズイコウパッド)

裂傷
03 /24 2023
80代女性(左下腿切創)

【現病歴】
1月18日に公園を散歩中に、アスファルトで転んでしまい左膝を切ってしまった。

【既往歴】
高血圧

【医師の説明】
膝の下を深く切っていますので、血液がたまらないように管を入れて縫います。数日間、管から血液やリンパ液が出ると思いますが、この管は液が少なくなったら抜きます。しばらく歩く時に違和感があると思いますが、心配しないでください。シャワーや入浴は普通に送っていただいて構いませんが、膝の曲がる部分を縫っていますので正座は控えて下さい。



以下、縫合後に創部が離開した時の処置について紹介させていただきます。
裂創´
左ひざ下の3㎝の切創です。           
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浸出液やリンパ液が創内に溜まると感染がおこるため、液が外に出るようにペンローズドレーンを入れて縫合しています。その上は吸収力のあるズイコウパッド(ズイコウメディカル)で保護し、1日1~2回交換していただきました。1月20日にドレーンは抜いています。1月27日に抜糸をして、その後テーピングで傷が開かないように説明をして経過観察をしていました。しばらく正座も控えていただくようお話をしています。
裂創2
1月30日に傷口が開いてしまったため、
裂創3
テーピング+ズイコウパッドでしばらく治療をしたところ、
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2月10日に傷口は閉じました。この間、買い物やお風呂など普通の生活を送っていました。一部、傷口が開いた状態であっても湿潤環境さえ整っていれば、時間はかかっても傷口は治りますので安心して下さい。

患者さんのひと工夫(足の裏に貼ったハイドロコロイド被覆材をはがれにくくする工夫)

ハイドロコロイド被覆材
03 /10 2023
60代男性(左足底の乾燥による裂傷)

【現病歴】
数年前より足の裏がガサガサしたり、切れてしまって痛くて歩けない。

【既往歴】
高血圧・喘息

【医師の説明】
石鹸での身体の洗いすぎにより皮膚が乾燥してしまったり、垢すりなどの使用で皮膚の表面が傷がついてしまうことがよくあります。身体は石鹸を使わずにお湯で流すだけにして下さい。お風呂から上がったらワセリンで保湿をして、亀裂が入った部分はハイドロコロイド被覆材を貼ってください。


以下、足底のハイドロコロイド被覆材の使用に関する患者さんのひと工夫です。

患者さんの工夫´´´
※他の患者さんの写真を使用しています。
通常は上の写真のように足底にハイドロコロイド被覆材を貼ったうえから、はがれないように伸縮性のあるテープで補強しています。

患者さんの工夫´´
しかし、亀裂の部分以外に白色ワセリンを塗っていて、テープがうまく張り付かないことと、1日生活しているとハイドロコロイド被覆材が靴下や床に付いてしまい、洗濯や床の掃除が大変だとご家族に言われたとのことで、ここでひと工夫。
患者さんの工夫´
テープで固定する代わりにくっつく包帯を巻いて保護をし、剥がれとべたつきを予防していました。
サポーターのように使用できて歩行の際も違和感がなくていいとのことでした。

湿潤治療ナース

湿潤治療の工夫や日常の感じたことを紹介させていただきます。
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