患者さんのひと工夫(足の裏に貼ったハイドロコロイド被覆材をはがれにくくする工夫)

ハイドロコロイド被覆材
03 /10 2023
60代男性(左足底の乾燥による裂傷)

【現病歴】
数年前より足の裏がガサガサしたり、切れてしまって痛くて歩けない。

【既往歴】
高血圧・喘息

【医師の説明】
石鹸での身体の洗いすぎにより皮膚が乾燥してしまったり、垢すりなどの使用で皮膚の表面が傷がついてしまうことがよくあります。身体は石鹸を使わずにお湯で流すだけにして下さい。お風呂から上がったらワセリンで保湿をして、亀裂が入った部分はハイドロコロイド被覆材を貼ってください。


以下、足底のハイドロコロイド被覆材の使用に関する患者さんのひと工夫です。

患者さんの工夫´´´
※他の患者さんの写真を使用しています。
通常は上の写真のように足底にハイドロコロイド被覆材を貼ったうえから、はがれないように伸縮性のあるテープで補強しています。

患者さんの工夫´´
しかし、亀裂の部分以外に白色ワセリンを塗っていて、テープがうまく張り付かないことと、1日生活しているとハイドロコロイド被覆材が靴下や床に付いてしまい、洗濯や床の掃除が大変だとご家族に言われたとのことで、ここでひと工夫。
患者さんの工夫´
テープで固定する代わりにくっつく包帯を巻いて保護をし、剥がれとべたつきを予防していました。
サポーターのように使用できて歩行の際も違和感がなくていいとのことでした。

ハイドロコロイド被覆材をはがすときに    皮が引っ張られて痛い。

ハイドロコロイド被覆材
01 /17 2023
60代男性(両手掌多発性擦過傷)

【現病歴】
転倒して両手をついてしまった。
自宅にあったキズパワーパッドを貼っておいたが、心配になりクリニックを受診された。
【既往歴】
心房細動
【医師の説明】
浅い擦り傷や切り傷に市販のキズパワーパッドを使用したは正しい処置でした。ハイドロコロイドが白く溶けなくなるまで1日1回は交換して下さい。



以下、多発性擦過傷で角質が浮いてしまった時のハイドロコロイド被覆材の処置について説明します。
手 裂創
この写真は患者さんが自宅で貼ったキズパワーパッドを剥がした時の写真です。この症例のような擦過傷にハイドロコロイド被覆材を直接貼ると、交換する時に浮いた角質が引っ張られてとても痛くて処置に時間がかかりますがどうしたらいいでしょうか?と多くの患者さんから質問をいただきます。

手 裂創´
このような時には、浮いている角質をできるだけをハサミで取り除き、その後にハイドロコロイド被覆材を貼ると苦痛が少なく交換ができます。

患者さんのひと工夫               (1人で背中のズイコウパッドを交換する方法~シャツに糸で印をつける~)

ズイコウパッド
12 /27 2022
60代男性(背部粉瘤)
【現病歴】
背中の粉瘤。近くのクリニックで手術をして1週間後に抜糸をしたが、帰宅後に出血して傷が開いてしまった。奥様が看護師で湿潤治療について知っていたため、当クリニックを受診した。
【医師の説明】
背中は脂肪の層が厚く、肩甲骨はよく動く部位なので、血液がたまったり傷が開いてしまうことはよくあることです。同じように縫い合わせるとまた開いてしまうので、このまま湿潤治療で治していきましょう。



以下、患者さんのひと工夫です。
数週間ほど奥様が家にいないため、ご自身で交換できる方法を考案されていたので紹介したいと思います。

患者さんのひと工夫´´´
背中に8㎝の離開創。
浸出液が多いことと、傷が閉じるまで時間が掛かることから『ズイコウパッド』を使用しました。

患者さんの工夫´
婦人用の伸縮シャツのパッドが当たる位置に黒い糸で印をしています。
(シャツが汚れないように糸の上をフィルム状のもので覆ったようですが、ズイコウパッドの吸収力が良いために必要なかったとのことです)。

患者さんの工夫
ズイコウパッドとシャツは両面テープで固定していました。


ハイドロコロイド被覆材の剥がし方      (コットンパフ使用)

ハイドロコロイド被覆材
12 /21 2022
ハイドロコロイド被覆材は粘着性があるので、交換する時に痛みを伴うのが難点です。そのため、痛くなく剥がす方法はありますか?とよくご質問をいただきます。
ハイドロコロイド製剤は水分を吸収するとゲル化するため、①流水で洗いながら剥がす方法又はお風呂のなかで剥がす方法 ②濡らしたキッチンペーパーにワセリンを塗り剥がす方法 ③貼る前に薄くワセリンを塗り、粘着を弱める方法をお話ししていますが、最近、化粧用コットンパフが気軽に使えることが分かったので、紹介させていただきます。

プラスモイストの剥がし方
【化粧用コットンパフ】
脱脂綿でできているため吸水性があります。

ハイドロコロイドの剥がし方´´´´´
コットンに水分を含ませ、ハイドロコロイドに浸み込ませるようにすると剥がしやすくなります。

患者さんのひと工夫               (プラスモイスト®のカッティング)

プラスモイスト
11 /20 2022
11か月 乳児(ストーブによるⅢ度のヤケド)

【現病歴】
旅行中にストーブに両手を付けてヤケドを負った。近医ではアズノール軟膏で治療。翌日、住まいの近くの病院を受診して、石鹸洗浄・プロスタンディン軟膏・フィブラストスプレーが処方されたが、両親が心配になりネットで調べて当クリニックを受診された。

【医師の説明】
ストーブは温度が高いので一部深くなっている可能性があります。治るまで時間はかかりますが、しばらくプラスモイスト®+ワセリンで様子を見ていきましょう。

プラスモイストあかみ切り込み
プラスモイスト®はミトン型にして覆っていたが、手を動かすことによってプラスモイスト®の端が皮膚に当たって擦れてしまい、その部分が線状に赤くなってしまった(丸い円の部分)。
pura切り込み
そのため、写真の黒い点線の部分をカットして使用していた。それによって赤みも消失し、動かしやすくなったとのこと。

※以前の湿潤治療ナースのブログも参考にしてください。

湿潤治療ナース

湿潤治療の工夫や日常の感じたことを紹介させていただきます。
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