今日の症例(足底のズイコウパッド処置)

難治性潰瘍
12 /05 2022
50代男性(糖尿病性潰瘍)

2018年10月に右第3趾の腫れと発熱で近医を受診し糖尿病の診断を受ける。
2020年11月に再度発熱。糖尿病性壊疽で右第2・3趾切断。2021年1月に足底に潰瘍ができ、ゲーベンクリーム+ガーゼで治療していたが改善しなかったため、当クリニックを受診し湿潤治療を開始する。

【既往歴】
 糖尿病
【医師の説明】
糖尿病性の潰瘍は血流障害・末梢神経障害により治りにくい潰瘍です。今使われているゲーベンクリームによりかえって傷を深くしてしまうので、湿潤治療にしてしばらく様子をみていきましょう。
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足底の潰瘍。
過剰な角質(潰瘍周囲の白い部分)を切除する。
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足底の足指に近い部分はパッドが取れやすいため、ズイコウパッドをカット(点線部分)し、指に入れ込み固定する。

患者さんからの治療経過報告(足背ヤケド)

熱傷
11 /26 2022
ゆで汁による足背熱傷(50代女性)

【現病歴】
R 4.10月4日、枝豆を茹でていてゆで汁をこぼし左足にヤケドを負った。近くの大学病院を受診し、石鹸洗浄をした後にリンデロンVGとガーゼで治療していた。痛みが強く皮膚移植が必要と説明されたため、当クリニックを受診。受診当日はズイコウパッド+ワセリンで治療を開始する。翌日には痛みが無くなり楽になったと喜ばれていた。



以下、患者さんが治療経過をまとめて持参してくださったので、許可をいただき掲載させていただきます。

患者さんからのヤケドの詳細´

足背ヤケド´
受傷後42日後(R4.11月15日)上皮化終了。

【補足】傷を治す液(浸出液)が少なくなり傷口も浅くなったので、一時期、ハイドロコロイド包帯に変更しましたが、足首の部分が擦れてしまって痛いということだったので、終盤までズイコウパッドを使用して治療を行いました。擦れて痛い時期にステロイド軟こうを使用したところ、痛みが軽減しました。

※以前の湿潤治療ナースのブログも参考にして下さい。


誰のための説明か?

その他
11 /05 2022
誰のための説明なのか?

最近、患者さんのための説明がこちらの流れを重視した一方的な説明になってしまっていることに気づきました。

診察の際には湿潤治療の基本的な説明は先生が、処置の説明は看護師である私が行っていますが、限られた時間のなかで説明をするので、ある程度はルーティン化してしまいます。しかし、こちらの意識を変えるだけで、もっと患者さんに沿った説明ができるのではないかと思ったのです。

例えば、湿潤治療を知らない患者さんや御高齢の患者さんには理解しやすいようにポイントを押さえた説明にしたり、逆に治療を理解していて詳しい方には、聞きたい内容をより掘り下げて話をするなど工夫できることは様々あります。

そのために患者さんの話や反応を大事にしながら、相手が知りたい情報を分かりやすい言葉で返すという基本的なことを毎日の課題としています。

説明というのは相手が主体です。患者さんが安心して治療が受けられるよう、これからも試行錯誤しながら、患者さんとのやり取りを大切にしていきたいと思います。

今日の症例(トランポリンから落ちた)

裂傷
10 /12 2022
2歳女児 (後頭部1㎝の裂傷)

トランポリンから落ちて頭の後ろを切ってしまい、父親が湿潤治療について知っていたため、自宅でワセリンを塗ってその日に当クリニックを受診されました。

【医師の説明】
擦りむいたような浅い傷はワセリン基剤の軟膏を塗るだけで数日で良くなりますが、このくらい(1㎝)切れていると、三つ編みで傷口を寄せた方が早く治るでしょう。


小児の裂創は、縫うことをせずに三つ編みで治しています。
頭部裂傷(三つ編みの方法)~新しい創傷治療より~』三つ編みをした後は医療の肌色のテープで固定していましたが、テープが外れてしまい三つ編みが解けかかったことがあったり、輪ゴムも試してみましたが、取る時に髪の毛が絡まってしまい上手くいかなかったことがありました。

今回、髪の毛にワセリンが付いていたので、手元にあった「シリコン ヘアゴム」で試してみたところ。。。


三つ編み ヘアゴム

  【翌日の写真】

翌日まで抜け落ちることもなく、ゴムもサッと取れました。

※治療の工夫に関しては、以前の湿潤治療ナースのブログも参考にしてください。

開院5周年を迎えました。

その他
10 /03 2022
R4年10月1日【なついキズとやけどのクリニック】は開院から5周年を迎えました。 

 夏井院長のもと、オープニング当初からの事務スタッフに新たな仲間も加わり、共にこの日を迎えられたことがとても嬉しいです。

 クリニックを受診して下さっている患者さん、開業時に支援いただいた方や、日頃から応援をして下さる方々にこの場をお借りして御礼申し上げます。

 当クリニックのモットーである「泣いていた患者さんが笑って帰るクリニック」を胸に、これからも看護師として、患者さんやそのご家族に精一杯関わっていきたいと思います。
 
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瑞光メディカル社様からのお祝いのお花。開業時に戴いた芋焼酎を飲みながらお祝い。

湿潤治療ナース

湿潤治療の工夫や日常の感じたことを紹介させていただきます。
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