今日の症例(海水浴での日焼け)
その他20代男性(日光皮膚炎によるびらん創)。
【現病歴】
海水浴に行った時に、日焼け止めを塗り忘れてしまったところが痛むとのことで来院された。
【既往歴】
なし
【医師の説明】
日焼けにより軽いやけどのような状態になっています。日焼けの部分は空気に触れると痛いので、傷口は乾かさない治療で治していきます。使用するのは食品用ラップです。食品用ラップにワセリンを塗って傷口に当てると痛みが和らいできます。食品用ラップ+ワセリンは1日1回、入浴の時に交換して下さい。指で触って痛みがなくなったら、何も当てる必要はありません。
以下、日焼けの処置について説明します。
日焼けの範囲が狭い場合は、様々な治療材料(ハイドロコロイド被覆材やプラスモイストなど)を使用してもいいのですが、広範囲で動かしやすいことも考慮して、この患者さんには食品用ラップを使います。
先ず、食品用ラップ(野菜用の薄いラップが良い)にワセリンを塗って下さい。
ワセリンは融点が38℃から60℃低く体温で柔らかくなるため、適量で大丈夫です。動く箇所や痛みがひどい部分は、ワセリンを足して下さい。
ワセリン付きの食品用ラップを日焼けした部分に当て、ズレないようにテープで固定します。表面が乾燥しなければいいので、ラップは遊びを作るようにフワッとのせて下さい。
ワセリン付き食品用ラップのみだと洋服がべたついてしまうため、チューブネットで覆い、
チューブネットが下がってこないように、ネット包帯で固定します。
汗疹ができるため1日1回は交換して下さい。ワセリンは体温で自然と溶けてくるので、無理して洗い流す必要はありません。